研究課題/領域番号 |
09555136
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
六郷 恵哲 岐阜大学, 工学部, 教授 (40127155)
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研究分担者 |
栗原 哲彦 岐阜大学, 工学部, 助手 (50262746)
内田 裕市 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20213449)
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キーワード | コンクリート / 引張軟化曲線 / 逆解析 / 標準化 / 破壊力学 |
研究概要 |
この研究においては、引張軟化曲線(コンクリートのひび割れ部におけるひび割れ幅と引張応力との関係)を求めるための試験方法を確立して公表し、改良を行うとともに、引張軟化曲線を組み込んだ数値解析を用いて、高靱性繊維補強コンクリートの開発、曲げ付着強度の寸法効果の解明、コンクリート系補修材料の性能改善などの検討を行っている。 (1)コンクリートはり供試体の曲げ試験で計測される荷重-変位曲線から、逆解析により引張軟化曲線を精度よく推定できる有限要素プログラムを、土木学会コンクリート委員会寸法効果小委員会(委員長:六郷恵哲)の委員会報告書の中で公表するとともに、インターネットを通じて希望者へ配布した。曲げ試験用供試体の形状寸法や変位計測方法の望ましい条件を示し、荷重-変位曲線をより安定して計測できる載荷試験装置の例も示した。 (2)新旧コンクリートの打継ぎ部の性能評価に引張軟化曲線が有効なことを明らかにした。寸法が異なる供試体の曲げ載荷試験を行い、曲げ付着強度の寸法効果を実験的に求めるとともに、引張軟化曲線を組み込んだ数値解析により各種条件のもとでの寸法効果について検討した。打ち継ぎ部の引張軟化曲線の形状に、試供体寸法はほとんど影響しないことを明らかにした。 (3)鋼繊維種別、繊維混入量ならびにマトリクス強度の異なる各種の鋼繊維補強クンクリートの曲げ載荷試験を行い、性能評価に引張軟化曲線が有効なことを明らかにした。通常の繊維混入率(2%以下)の場合には、引張軟化曲線の形状は共試体寸法の影響を受けないことも明らかにした。
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