研究概要 |
この研究においては,引張軟化曲線(コンクリートのひび割れ部におけるひび割れ幅と引張応力との関係)を求めるための試験方法を確立するとともに,引張軟化曲線を組み込んだ数値解析を用いて,鋼繊維補強コンクリートや再生骨材を用いたコンクリートの曲げ破壊性能の評価,断面修復材や打継ぎ部コンクリートの付着性能の評価などを行うことを目的としている. (1) 各種コンクリートの曲げ破壊性能の評価 鋼繊維補強コンクリートや再生骨材コンクリートを対象に,引張軟化曲線の形状とはり供試体の曲げ破壊時の荷重-変位曲線との関係について解析的に検討し,これらのコンクリートの性能を引張軟化曲線の形状の違いにより評価できることを明らかにした. (2) コンクリート打継ぎ部の付着性能の評価 断面修復材とコンクリートとの付着性能を,引張軟化曲線によって評価するとともに,解析により,補修供試体のひび割れ挙動の違いを引張軟化曲線の形状の違いにより表現できること明らかにした. (3) 引張軟化曲線の試験方法の検討 引張軟化曲線の試験方法の確立と応用をテーマにした国際研究集会(ワークショップ)を,平成10年10月の国際会議(FRAMCOS-3)の直前に岐阜で開催し,内外の研究者と協議を行った.他の破壊力学パラメータに比べて引張軟化曲線の応用範囲が広いこと,引張軟化曲線の評価は用途に応じて行うべきこと(レベル1〜3),引張軟化曲線の試験方法の標準化のための国際的な委員会をRILEMの中に設置すること等を確認した. (40字×19行=720字)
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