研究課題/領域番号 |
09555139
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
小林 和夫 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10021586)
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研究分担者 |
豊福 俊英 関西大学, 工学部, 教授 (90112250)
高木 宣章 立命館大学, 理工学部, 助教授 (50154753)
森川 英典 神戸大学, 工学部, 助教授 (70220043)
矢村 潔 摂南大学, 工学部, 教授 (30026257)
井上 晋 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (30168447)
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キーワード | 高強度コンクリート / はり部材 / 曲げ耐荷特性 / せん断耐荷特性 / 疲労特性 / 変形性能 / 長期たわみ |
研究概要 |
本研究では,高強度コンクリートを適用するに際して現時点では明確でない各種部材特性を明らかにすること、さらに、高強度コンクリートを用いたRCおよびPC構造の合理的な設計法の確立に向けての基礎資料を得ることを目的として、高強度コンクリートを用いた部材の、(1)曲げ挙動と解析、(2)せん断挙動と解析、(3)疲労挙動、(4)変形・付着挙動の4項目について検討した。得られた主な結果を以下に示す。 1. 圧縮強度f_c≒80N/mm^2の高強度コンクリートを用いることにより、PC単純はりおよび連続はりの終局曲げ耐力ならびに終局時のPC鋼材応力を増加させることができ、その効果はアンボンドPCはりで顕著となる。また、高強度コンクリートを用いた場合でも、アンボンドPCはりの変形適合係数を0.20〜0.25とすることにより、終局時までの曲げ耐荷挙動を概ね推定できる。 2. 導入プレストレスレベルの増加とともにせん断ひび割れ発生荷重は増加するが、その増加率にコンクリート強度の影響はほとんど認められない。せん断圧縮破壊時の最大荷重もプレストレスレベルの増加とともに増大するものの、f_c=80N/mm^2の高強度コンクリートを用いた場合はf_c=40N/mm^2の普通強度コンクリートを用いた場合に比べその増加率が小さくなる。 3. RCはりの水中せん断疲労挙動について、コンクリート負担せん断力は繰返し回数の増加に伴って減少し、その減少率は作用せん断力が大きいほど、また、コンクリート強度が大きいほど大きい。一方、水中でせん断破壊したRCはりの疲労強度はコンクリート強度が大きいほど大きい。 4. 高強度コンクリートを用いたPRCはりの長期たわみは、土木学会コンクリート標準示方書平成3年版、平成8年版のいずれの算定式を用いても合理的な評価が可能である。 5. 連続繊維シートを用いて高強度コンクリートを横拘束することにより、コンクリートそのものの圧縮じん性ならびに曲げじん性を効果的に改善することができる。
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