研究概要 |
水中浮遊式トンネル特有の動的諸問題を解明するために,鉛直の係留索のみから成るA-タイプと鉛直と斜め係留索から成るC-タイプを代表例に取り上げ解析し,以下のことが明らかになった。 (1)水中浮遊式トンネルは,係留索の配置形状によって動揺特性が大きく異なる。 (2)A-タイプの水平方向運動のように,例えば地震の卓越周期に比べて長い固有周期を有する「長周期構造」と構造の周期と地震の卓越周期が比較的近いA-タイプの鉛直やC-タイプの「中周期構造」に分けて諸問題を考察する必要がある。 (3)「長周期構造」の場合は,外力の同時負荷のケースで検討を行えば,応答変位や発生断面力はある程度的確に把握できる。 (4)「中周期構造」の場合は,地震荷重下では伝播速度の違いによる応答の差がでるため、外力の同時負荷のケースの検討では,過小評価する可能性がある。 (5)特に,曲げモーメントなどの発生断面力の検討を行う場合は,例えば地震では侯播速度の影響が大きく現れるなど,外力の位相差には十分注意する必要がある。
|