研究概要 |
基本的な弾性波の伝播として,衝撃/移動荷重による一様な成層地盤内の3次元波動場の特徴を調べた.成層地盤では半無限地盤のモデルと異なって分散性のある波動場を形成する.本研究では,無次元化した振動数一波数の関係に基づいて,成層地盤内の波動場を共振現象から表面波の伝播までを統一的に捉えている.そして衝撃載荷,移動載荷/加振における応答様相として,波の非伝播(遮断)となる領域を地盤物性と層厚,荷重の速度と振動数との関係で明確にしている. 列車・交通沿線振動問題として,平坦軌道,盛土,高架軌道上を走行する新幹線列車から発生する地盤振動の予測をコンピュータ・シミュレーションから行った.地盤に対する列車荷重には軌道剛性,車軸間隔,車両の編成を考慮している.さらに枕木間隔が周期性を与えるため,新幹線沿線のフィールド計測波形の逆解析を導入して予測精度の向上を図った.解析ツールとして2.5次元FEM-BEMモデルによるものを開発した. 軌道沿線の振動対策工法として,地盤内にあるいは多成層地盤に構築された盛土中に波動遮断ブロック(WIB),また波動抑制工法のX-WIBをサイトに導入したときの応答低減効果を調べた. 以上,本研究は,高速移動する分布加振源下の周辺地盤の振動評価・予測および対策工法の開発に寄与する.
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