研究課題/領域番号 |
09555146
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
三浦 房紀 山口大学, 工学部, 教授 (60109072)
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研究分担者 |
瀧本 浩一 山口大学, 工学部, 助手 (50263794)
清野 純史 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00161597)
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キーワード | 杭 / 液状化 / 側方流動 / 耐震ジョイント / 非線形解析 / 動的解析 / 連成解析 |
研究概要 |
地盤の材料非線形特性、杭の大変形時の幾何学的非線形を考慮に入れた有限要素方に基づく解析手法を用いて杭の長さ、杭の径、杭頭の固定度、基盤への根入れ深さ、液状化層厚をパラメータとして、液状化による地盤の側方移動を受ける際の、従来の杭と耐震継ぎ手杭の応答の比較検討を行った。その結果、以下のことが明らかになった。 (1)耐震継ぎ手杭は従来の杭に比べて約2倍の地盤の側方移動量に体して杭の機能を保持する。 (2)地盤の側方移動に対する杭の破壊パターンは6通りに分類でき、そしてこれには基盤への根入れ深さの影響が大きい。 (3)パラメトリックスタディの結果を用いて、杭径、杭長、地盤反力係数が与えられれば、杭の降伏する地盤変位量を10cm程度の誤差で推定できる無次元表示図を作成した。 (4)逆に、地盤変位量が与えられれば、杭に生じる最大曲げモーメントを推定できる無次元表示図も作成した。 次に、耐震ジョイント杭曲げ試験結果を用いて、地盤-杭基礎-上部構造物の非線形地震応答解析を行った。その結果以下のことが明らかになった。 (5)耐震継ぎ手杭を用いた杭基礎では、基盤で800galという極めて大きな地震外力下においても地盤が健全であれば十分安全である。 (6)耐震継ぎ手は大きなたわみ性(回転特性)を有するが、それ故に上部工の応答を大きくするのではないかという点が危惧されたが、そのようなことはほとんどなく、耐震継ぎ手の存在は構造物の応答に何ら悪い影響を及ぼすことはない。 以上、2次元解析で基本的な特性が把握できたので、次年度は現在ほぼ開発の終わった3次元解析プログラムを用いて、群杭の解析も含めてより詳しい特性の把握に努める。
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