研究課題/領域番号 |
09555150
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
浅岡 顕 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50093175)
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研究分担者 |
三島 信雄 日本道路公団, 試験研究所, 研究員
阿知波 文夫 中部電力株式会社, 川越火力発電所副所長, 研究員
フェルナンド G.S.K 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80283422)
野田 利弘 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80262872)
中野 正樹 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00252263)
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キーワード | 水〜土連成 / 大変形 / 過圧密土 / 補強工法 / 制約条件 / 掘削 / 進行性破壊 / 有限要素法 |
研究概要 |
ラフト基礎に摩擦杭を併用したパイルドラフト基礎(あるいはラフト付き摩擦杭)は、軟弱地盤上での構造物の沈下抑制について海外では多くの利用事例があり、近年液状化などの発生抑止にも有効であるといわれている。しかし、わが国では、直接基礎と摩擦杭を一体化して支持力や沈下を評価する方法はなく直接基礎、もしくは摩擦杭のみで荷重を分担させる設計しか行われていないのが現状である。そこで、今年度の研究目的のひとつである、パイルドラフト基礎の荷重伝達機構の解明と、沈下・変形抑制の有効性の検討について、変位場に制約条件を設定することでパイルドラフト基礎を表現し、地盤との相互作用を考慮しつつ、様々な地盤・載荷条件を設定して水〜土連成有限変形解析を実施し、主に次の結論を得た。(1) パイルドラフト基礎は摩擦杭によって荷重を杭先端以深の地盤の深部に伝達し沈下を抑制する。(2) 偏心荷重による不同沈下を抑制する。(3) 支持層の傾斜による不同沈下には効果がない。(4) パイルとラフト基礎の接合点は剛結でなくともピン接合であれば、この基礎は十分機能を発揮する。また、液状化の発生抑止の可能性も示唆した。 また近年、高価なテールアルメ工法と同等の補強効果を維持しながらより安価な施工を行うために、現場発生土をコンクリート固化材や線材を混ぜて改良し、これを盛土の法面に配置しながらジオテキスタイルを敷設する工法が用いられつつある。ここでは、ジオテキスタイルは上記パイルやラフト基礎同様に土の変形を拘束するものと捉えるとともに、改良土を「超過圧密土」として計算し、この工法の変形抑止メカニズムとその有効性を調べた。その結果、ジオテキスタイルと改良土の相乗効果によって、盛土がより強固に補強され、実際に測定される軸力分布と類似の傾向などが得られることなどを明らかにした。
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