研究概要 |
本研究では,未だに有効なリサイクルの方法がないALC廃材の再生資源としての利用方法の確立を目的として,粒状材料として,この廃材の軽量さを利用し,軟弱地盤上の盛土材あるいは埋戻材としての可能性を探求している.ALC板を約40mmの粒状体として利用すること,セメントを添加して必要な強度を確保することなど,これまでに明らかになっていた研究成果を踏まえ,本研究では以下のことを実施した。 ALC廃材を有効利用し,強度を最大限発揮させるための粒度分布を明らかにした.また,この粒度分布において,粒子破砕を起こさない静的な方法により締固め特性を把握し,現場において0.4kgf/cm^2以上の応力,すなわち湿地ブルドーザー程度の締固め応力で十分に必要な密度が得られことを確認した.さらに,この状態で軟弱地盤上で道路の路盤あるいは路床として利用するために必要なセメント添加量,含水比を明らかにした。 岐阜県西濃地区内のピ-ト層の厚く堆積した軟弱地盤上に試験施工している農道の動態観測を継続し,試験施工区域を広げた.また,同地区の県道の補修工事にALC廃材を利用し,現在は沈下量と側方変位を測定中である。 なお,大型三軸セルを用いた大粒径のALC廃材の地盤粒状材料としての利用方法については,現在試験を実施中である。
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