研究概要 |
本研究では,未だに有効なリサイクルの方法がないALC廃材の再生資源としての利用方法の確立を目的として,粒状材料として,この廃材の軽量さを利用し,軟弱地盤上の盛土材あるいは埋戻材としての可能性を探求している。すでに,ALC(軽量気泡コンクリート)廃材の寸法と見かけの比重,土質材料としての締固まりの程度との関係,セメントを添加した場合の路盤材料としての適用性とその試験施工を実施している。施工は,簡易的な農道で実施しているが,一部で沈下の著しい県道の補修も行っている。 本年度は,ALC廃材の軽量さを活かした,固定したALC廃材の道路路床としての施工とその後の動態観測,さらには粒状材料としてALC廃材の強度特性について研究を進め,以下のような成果を得た。 1.昨年までに引き続き,試験施工現場の動態観測を継続しながら,ピート層の厚く堆積した軟弱地盤上に固化したALC廃材を道路路床とした適用した施工区域を広げた。動態観測の結果は良好であった。 2.軟弱地盤上の県道の補修に固化したALC廃材を再利用し,その沈下,側方変位などの動態観測を実施した。その結果,軟弱地盤上に新たに農道を建設するよりも路床部を軽量化する県道の補修の方が施工が容易であり,沈下等の動態観測結果も良好であった。 3.固化しない粒状材料としてALC廃材を軟弱地盤上の道路路床に適用可能か否かを室内試験により検討した。その結果,施工場所の地下水位の高低で安定性は若干変動するもの,十分に道路路床として適用できるという結論を得た。 また,ALC廃材の適用を考えるために,サウンディングにより軟弱地盤の原位置試験を実施した。
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