研究課題/領域番号 |
09555176
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松井 千秋 九州大学, 工学部, 教授 (00037756)
|
研究分担者 |
岡本 晴仁 NKK(株), 建材開発センター, 主幹(研究員)
畑戸 龍夫 前田建設工業(株), 特建構造部, 部長(研究員)
堺 純一 九州大学, 工学部, 助手 (30215587)
津田 恵吾 九州大学, 工学部, 助手 (50112305)
河野 昭彦 九州大学, 工学部, 助教授 (60136520)
|
キーワード | 鋼板 / 耐震壁 / スリット / 骨組 / 実験 |
研究概要 |
鋼板にスリットを入れることによりスリットに挟まれた部分(柱状部とよぶ)が柱のような曲げ挙動をし、鋼板は剪断抵抗ではなく曲げ抵抗をすると仮定し、単体のスリット入り鋼板耐震壁の水平力載荷実験を行い、その検討を行ってきた。実験によりこれまでに、レーザーカットで加工され高力ボルトで取付けられるスリット入り鋼板耐震壁は、高いエネルギー吸収能力をもち、スリットの長さ(柱状部の長さ:l)、間隔(柱状部の幅:b)、スリットを入れる段数(柱状部の段数:m)を変えることで簡単に耐力・剛性の調整ができること等が明らかになっており、施工性と構造性能の両面で優れた部材であると期待される。但し、単体実験においては耐震壁は耐震壁よりも剛性の著しく大きい梁に比較的大きなアングルを介し比較的太径の高力ボルトで摩擦接合され、耐震壁の上・下端を水平に保ちながら変形し、垂直方向の伸び縮みを抑制するものはなかった。しかしながら、耐震壁が実際に建物骨組に組み込まれたときには耐震壁は梁の変形の影響を受け、逆に耐震壁も骨組そのものの挙動に影響を及ぼすはずである。そこで今回、スリット入り鋼板耐震壁を門形骨組に組み入れ、繰返し水平力載荷実験を行った。その結果、柱の負担剪断力は耐震壁の影響を受けておらず、また,耐震壁については単体実験で得られたような靱性のある挙動が得られた。耐震壁は単体実験の時に比べて耐力・剛性がともに低下するが、それには梁の剛性との間の相関が認められた。
|