研究概要 |
(1)放射カメラ用電動旋回雲台の製作:全球熱画像を収録するために必要な,放射カメラを回転させる電動旋回雲台を,市販の雲台を改良することで製作した。現在所有している市販の雲台では,雲台の回転軸と放射カメラの入射瞳位置がずれているため,画像の中に不連続となる部分が存在する。この状態では3次元幾何情報との連係が困難であるため,最適な使用に改良した。 (2)多重分光型熱画像収録システムの開発:3つの波長帯(3〜5・5〜8・8〜14μm帯)における多重分光型熱画像収録システムの開発を行った。各波長帯における熱画像の温度キャリブレーション,各画像の画素レベルでの位置合わせのためのレジストレーション処理等を行い,装置の有効性を検証した。 (3)全球熱画像と3次元幾何情報の連係方法の開発:空間後方交会によって放射カメラの位置・傾きを求め,遺伝的アルゴリズム等を併用して全球熱画像と3次元CGを連係する独自の手法を開発し,その有効性を検討した。 (4)人体に対する長波長放射エネルギー算出手法の開発:多重分光型3次元熱画像を用い,人体に対する長波長放射エネルギーを任意の地点で算出できる手法を開発した。詳細な物性値や計算条件を使用した場合と,簡素な条件を使用した場合とを比較し,本手法の実用性に関する検討を行った。
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