研究概要 |
(1) 種々の組成の非晶質フッ化物薄膜をECRプラズマCVD法で合成するのに適した金属βジケトン錯体の探索: ZrF_<4^->BaF_<2^->LnF_3(Lnは希土類元素)系フッ化物非品質薄膜を対象組成として研究を進めた結果、それぞれの金属のβジケトン錯体、Zr(hfa)_4,Ba(hfa)_2(tg),Ln(dpm)_3,Lん(fod)_3、が適当であることを明らかにした。 (2) 非晶質フッ化物薄膜をECRプラズマCVD法で合成する方法の確立: 上記の金属βジケトン錯体を適当な温度で加熱し、その蒸気をArをキャリアーガスとして混合搬送すると同時に、フッ素化剤としてNF_3ガスを搬送し、石英管内で金属βジケトン錯体混合蒸気をフッ素プラズマと反応させ、CaF_2基板上にフッ化物薄膜を堆積させる方法を確立した。また、それぞれの金属βジケトン錯体の搬送量を調整することにより望む組成の試料を合成できること、堆積時間の調整により望む厚さの試料を合成できることを明らかにした。 (3) 希土類含有フッ化物薄膜のプラナー型光導波路作製の検討: ZrF_<4^->BaF_2/ZrF_<4^->BaF_<2^->LnF_3/ZrF_<4^->BaF_2サンドウイッチ型構造のプラナー型光導波路の作製を試みたところ、良好な試料を得ることができることを確認した。 (4) 希土類含有フッ化物非晶質の光機能の予備的実験: ErF_3を含有するZrF_<4^->BaF_2系薄膜試料を作製し、Er^<3+>イオンによるアップコンバージョン蛍光の観測を試みたところ、良好なアップコンバージョン蛍光の観測に成功した。 (5) ZrF_4系以外のフッ化物非晶質薄膜を検討するために、ZnF_2系、AIF_3系、InF_3系を対象としてECRプラズマCVDに適した金属βジケトン錯体の探索を行った。
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