研究概要 |
液相析出法による薄膜合成法により、Pt/TiO_2およびAu/SiO_2,Au/TiO_2-SiO_2薄膜等の金属超微粒子分散酸化物薄膜およひTiO_2/FeOOH/TiO_2等の酸化物積層体薄膜の合成を試み、その合成条件の最適化と得られた薄膜における物質分布について検討を行った。これらの金属超微粒子含有酸化物薄膜においては、白金含有酸化物薄膜については、前駆体となる白金錯体の種類により含有量・粒径とも変化することが明らかとなった。すなわち、H_2PtCl_6を前駆体とした場合より、白金アンミン錯体であるPt(NH_3)_6Cl_4,Pt(NH_3)_4Cl_2を用いた方が、多量かつ微粒化することが可能であることが明らかとなった。一方、金含有酸化物薄膜の場合、薄膜中の金含有量は反応溶液中に添加するHAuCl_4の水溶液量によって制御可能であった。また、透過型電子顕微鏡観察により、直径10数nmの金微粒子が均一に分散していることが見られ、紫色の着色が600nm付近に吸収バンドをもつ金微粒子の表面プラズモン共鳴によるものであることが明らかとなった。また、一方、酸化物積層体であるTiO_2/FeOOH/TiO_2の作製に成功した。明瞭な界面を持つ積層体が均一に形成されており、液相析出法による酸化物積層体の合成が可能であることが明らかとなった。XPS測定による深さ方向の定量分析により、界面付近においては両成分が存在しており、組成的傾斜を有していることが明らかとなった。また、酸化チタン薄膜についての触媒活性を測定し、LPD法により作製した酸化チタン薄膜が基板材料に依存せず、300℃付近において最も高いアセトアルデヒド分解能があることが明らかとなった。
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