研究課題/領域番号 |
09555195
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
南 努 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80081313)
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研究分担者 |
稲葉 博司 セントラル硝子(株), 硝子研究所, 所長
松田 厚範 大阪府立大学, 工学部, 助手 (70295723)
忠永 清治 大阪府立大学, 工学部, 助手 (90244657)
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キーワード | 超撥水表面 / 超親水表面 / ゾル-ゲル法 / 化学修飾 / フルオロアルキルシラン / 接触角 / 表面張力 / 透明 |
研究概要 |
アセト酢酸エチルで化学修飾されたAl(O-sec-Bu)_3を出発原料として用いて作製したアモルファスのアルミナ薄膜を沸騰水中に浸漬すると、数十nmオーダーの凹凸を持つ表面が得られることがわかった。この形状の生成過程について検討したところ、沸騰水処理前の多孔質アルミナ薄膜では平滑な表面であり、この組織は数十秒の浸漬によって形成されることがわかった。また、この組織はごく表面にのみ形成されていることが確認できた。薄膜のX線回折測定ではその結晶相を同定することができなかったが、粉末に関して同様の沸騰水処理を行って検討した結果、結晶相はベ-マイトであることが確認された。 この微細な凹凸を持つ組織を持つアルミナ薄膜に加水分解したフルオロアルキルシランをコーティングすると水に対する接触角が165°となり、超撥水表面が得られた。走査型電子顕微鏡による表面観察によりフルオロアルキルシランのコーティングによっても微小な凹凸の形状は維持されていることが確認された。また、この薄膜は、350nm以上の波長で透過率90%以上であり、透明である。種々の表面張力を持つ液体に対する接触角の測定より、超撥水状態では微小な凹凸に水が進入できず、表面と水滴の界面に多くの空気が存在することがわかった。 また、フルオロアルキルシランをコーティングした後の熱処理温度を変化させて、水に対する接触角を測定したところ、450℃までの熱処理では超撥水状態を示したが、500℃の熱処理によってフルオロアルキル鎖が分解し、超親水状態になることがわかった。
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