研究分担者 |
木枝 暢夫 湘南工科大学, 工学部, 助教授 (80169812)
真岩 宏司 湘南工科大学, 工学部, 講師 (50229283)
林 卓 湘南工科大学, 工学部, 教授 (70023265)
尾原 佳信 積水化成品工業株式会社, 総合研究所, センター長(研究職)
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研究概要 |
本研究ではLi添加により高抵抗化された透明性,c軸配向性を有する酸化亜鉛結晶に関して,その圧電特性を測定し,微細加工を駆使して新規実用材料への展開をはかることを目的とした.3年間にわたる研究においては,特に以下の点に重点を置き結果を得た. 1)作成された配向性を持ち圧電性を発揮する酸化亜鉛の接合により機能創出をめざした.結晶軸方向にそろえた接合では,空隙や亀裂のない完全な接合を得ることが出来た.これにより,試料の大型化や,逆方向接合による,特異な共振器の作成が可能となった.それに加え,結晶軸を垂直にした接合でも降温速度をより遅くした同様な方法により,良好に接合体を得ることが出来た.この場合は圧電トランス型の接合であり,電極をそれと同タイプに配置した.その結果,電気-機械-電気変換が観測され,トランスの昇圧効果は見られなかったものの,共振周波数において大きな過電圧が出力される,いわゆるフィルター特性が確認された.10MHzから100MHzの焼結体や薄膜の隙間となっている領域での振動,検知を行う圧電体としての有効性を確認するために薄板加工を行った.現在までに50μm,60MHz用の素子を作ることが出来るようになり,-5dB以下の減水率を持つフィルターを作成した. 2)Liを添加した酸化亜鉛配向性薄膜の合成をYAGレーザアブレーション法により行った.基板に垂直にC軸が配向した膜は基板温度を300℃以上にすることにより,良好に作成することが出来た. 3)調理用電子レンジによる部分安定化ジルコニアの緻密体焼結プロセスを開発した.酸化亜鉛焼結体が電子レンジ中で赤熱するまでに加熱する性質を活用し,これを部分安定化ジルコニアのプレヒーターに用いた.ジルコニアをプレヒーターにより高温にすれば誘電損失が増加(酸素イオン電導度の増加)し,自らもマイクロ波を吸収して自己発熱し,緻密化(相対密度98%以上)に至った.
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