研究課題/領域番号 |
09555206
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松本 實 東北大学, 素材工学研究所, 講師 (30006043)
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研究分担者 |
谷 順二 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30006192)
高木 敏行 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (20197065)
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キーワード | Ni_2MnGa / マルテンサイト変態 / 変態温度 / 低磁場帯磁率 / キューリ-温度 |
研究概要 |
1.Ni_<2+x>Mn_<1-x>Ga試料の作製 化学量論および非化学量論Ni_2MnGaの物理的性質を調べるため、NiとMnの組成を変えた数種類の試料を作製した。高純度原料を秤量し、アーク炉で熔解した後、規則化のため石英管に真空封入し、高温で長時間熱処理した。得られた試料はX線マイクロアナライザーにより組成分析を行い、組成を決定した。X線回折により試料の結晶構造を測定し、組成の範囲内でボイスラ-型の結晶構造をとることを明らかにした。 2.変態温度の測定 示差走査熱量計(DSC)を用いて加熱・冷却に伴うDSC曲線を求め、吸熱・発熱ピークからマルテンサイト変態開始および終了温度、MsおよびMf、オーステナイト変態開始および終了温度、AsおよびAf、を求めた。これらの変態温度はNi量の増加とともに上昇した。これより室温においてマルテンサイト相が実現する組成が明らかになった。また、変態温度間の温度差はどの組成においても大きく変わらなかった。 3.磁気的性質の測定 交流法により低磁場帯磁率を測定した。マルテンサイト相は磁気異方性があり、オーステナイト相は等方性のため、低磁場帯磁率の測定により、マルテンサイト相とオーステナイト相との相変態温度とキューリ-温度が同時に求められる。測定の結果、Ni量の増加とともに相変態温度は上昇し、キューリ-温度は低下した。さらにNi量を増加すると相変態温度とキューリ-温度は一致した。
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