研究概要 |
強磁性形状記憶合金Ni_2MnGaの合金組成を変化させNi_<2+x>Mn_<1-x>Ga(x=0〜0.20)を作製し,結晶変態温度と磁気変態温度を測定した.この結果,Ni組成の増加に伴い,結晶変態温度は上昇するが磁気変態温度が低下し,Ni組成が2.16以上でこれら二つの温度が一致することを見い出した.熱力学的考察により,この実験結果を理論的に解析すると共にNi組成が2.20以上の場合の結晶変態温度と磁気変態温度のNi組成依存性を予測した.また,磁場をかけた場合の結晶変態温度の変化量を定式化した. 強磁性形状記憶合金Ni_2MnGaの脆性を小さくし,機械的特性を向上させる目的で放電プラズマ焼結法により試料作製を行った.すなわち,アーク熔解したインッゴットを粉砕し,短時間での放電プラズマ焼結で円板状の試料を得た.この試料に熱処理を施し規則格子合金を作製した.変態温度および結晶構造を示差走査熱量計およびX線回折装置を用いて測定し,バルク材と同様の変態が起こることを明らかにした.圧縮による機械的性質の測定を行った結果,アーク熔解試料に比べ放電プラズマ焼結試料では脆性が改善された.
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