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1997 年度 実績報告書

シリサイドフラックス法による大型β-SiC単結晶の育成

研究課題

研究課題/領域番号 09555211
研究機関京都大学

研究代表者

乾 晴行  京都大学, 工学研究科, 助教授 (30213135)

研究分担者 JOHNSON Daiv  京都大学, 工学研究科, 助手 (70283645)
キーワードフラックス法 / SiC / ポリタイプ / 遷移金属シリサイド / チョクラルスキー(CZ)法 / 高分解能電子顕微鏡法 / EDS分析 / 収束電子線回折
研究概要

SiCは,バンドギャップの大きい半導体で,高温環境下で動作可能な高周波用パワーデバイス素子として期待されている.しかし,SiCは常圧では〜2400℃で液相を経ずに昇華するため,昇華法やCVD法などもっぱら気相法により作製されている.しかし,気相法では,大型の結晶を育成できない上に,積層欠陥など電気的特性劣化させる多くの欠陥が存在する.最近の我々の研究で,多くの遷移金属シリサイドとSiCは共晶を形成し,共晶点よりSiC-rich側ではSiCが融体から初晶として晶出することがわかった.本研究の目的は,シリサイド融液をフラックスとして,Si単結晶インゴットに匹敵するような,欠陥をほとんど含まない高品位の大型SiC単結晶インゴットを作製するための新たな方法を開発することにある.フラックスとしてMo-,Cr-,Co-シリサイドを用いた.フラックスの融点はこの順に減少する.結晶成長は水冷銅ルツボ中でフラックスを溶かすことにより行った.溶融フラックスの温度を徐々に下げることにより,6H-SiC単結晶を種結晶としてその下にSiC結晶を連続的に成長させるよう試みたが,種結晶近傍に多量にSiCの析出は起こるものの,連続的に単結晶成長することはなかった.これは降温速度が速かったためと考えられる.いずれのフラックスを用いた場合でも,mm単位のSiCが初晶として晶出した.このSiC結晶のポリタイプを電子回折法で決定すると,いずれの場合も,大部分がβ(3C)タイプのものであった.フラックスの融点が高くなるほどαタイプが混入する確率が高くなった.EDS分析ではSiC結晶には遷移金属からの汚染は検知できなかったが,収束電子線回折による格子定数の決定では,用いたフラックスによりSiC結晶の格子定数が微妙に異なり,ppmオーダーでの遷移金属不純物の混入があるものと考えられる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Ito: "Plastic Deformation of Single Crystals of Transition Metal Disilicides" Materials Science & Engineering. A233. 33-43 (1997)

  • [文献書誌] K.Ito: "Microstructure and Mechanical Properties of MoSi_2 Single Crystals and Directionally Solidified MoSi_2-Based Alloys" Progress in Materials Science. 42. 193-207 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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