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1998 年度 実績報告書

シリサイドフラックス法による大型β-SiC単結晶の育成

研究課題

研究課題/領域番号 09555211
研究機関京都大学

研究代表者

乾 晴行  京都大学, 工学研究科, 助教授 (30213135)

研究分担者 伊藤 和博  京都大学, 工学研究科, 助手 (60303856)
キーワードフラックス法 / SiC / ポリタイプ / 遷移金属シリサイド / 種結晶 / フローティングゾーン(FZ)法 / チョクラルスキー(CZ)法 / 収束電子線回折
研究概要

SiCは,バンドギャップの大きい半導体で,高温動作可能な高周波用パワーデバイス素子として期待されている.しかし,SiCは常圧では〜2400℃で昇華するため,昇華法やCVD法などの気相法により作製されている.本研究では,多くの遷移金属シリサイドとSiCは共晶を形成し,共晶点よりSiC-rich側ではSiCが融体から初晶として晶出するという我々が最近得た知見をもとに,シリサイド融液をフラックスとして,欠陥を殆ど含まない高品位大型SiC単結晶インゴットを作製するための新たな方法を開発することを目指した.フラックスとしてWSi_2,MoSi_2,TaSi_2,NbSi_2,VSi_2,CrSi_2,CoSi_2の7種を試し,溶解の容易さを調査し,Mo-,Cr-,Co-シリサイドを選定した.ルツボにはSiCを選定した.6H-SiC単結晶を種結晶として温度勾配下で直下にSiC結晶を連続的に成長させるには,フラックスの長時間安定性が結晶成長の支配因子であり,安定性が悪い場合,種結晶近傍に多量にSiCの析出は起こるものの,連続的に単結晶成長することはできない.いずれのフラックスを用いた場合でも,mm単位のSiCが初晶として晶出し,そのポリタイプは,いずれの場合も,大部分がβ(3C)タイプであった.SiC結晶の遷移金属からの汚染はEDS分析でも収束電子線回折でも検知できず,SiC結晶中の遷移金属不純物の混入は極めて微量であるといえる.Mo-,Cr-,Co-シリサイドの中ではCo-シリサイドがフラックスとして最も適しており,10時間程度の安定した結晶育成が再現性良く可能であった.その結果,6H-SiC単結晶種結晶上に,C面内でmm単位,C軸方向で50μm程度の単結晶が育成できた.ルツボ容積を大きくし,フラックスの垂直方向の温度勾配を増大させれば,さらに大型の単結晶育成が可能である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Inui: "Plastic Deformation of Single Crystals of Mo(Si,Al)_2 with the C40 Structure" Philosophical Magazine A. 77・2. 375-394 (1998)

  • [文献書誌] H.Inui: "Plastic Deformation of Single Crystals of VSi_2 and TaSi_2 with the C40 Structure" Intermetallics. 6・7-8. 723-728 (1998)

  • [文献書誌] K.Ito: "Plastic Deformation of Single Crystals of WSi_2 with the Cll_b Structure" Acta Materialia. 47・3. 937-949 (1999)

  • [文献書誌] H.Inui: "Plastic Deformation of Single Crystals of (Mo_<1-x>W_x)Si_2 with the Cll_b Structure" Materials Science and Engineering. (in press). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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