研究概要 |
(1)プラズマ環境STMの開発 世界に先駆けたプラズマ環境で動作するSTMの開発を行なった。本装置は、数十Vから数百Vにプラズマポテンシャル下での数nAという微小電流測定を原子サイズオーダーの位置分解能で行なうものであり、以下のような新たな要素技術の開発を行ない、その集積としてのプラズマ環境STMのを完成させた。 (A)プラズマ環境STM用プローブ (耐プラズマ性ガラスゾルゲル被覆/先端数μm露出/Pt-Ir製)の開発 (B)プラズマ環境STM用耐高電圧(1kV)高精度(10fA)電流計の開発 (C)プラズマ環境STM用チャンバー (ターボポンプ排気(到達真空10-8Torr)/2重防振構造)の作製 (D)プラズマ環境STM用コンパクト高周波 (440MHz/最大入力10W)プラズマ発生装置の作製 (2)プラズマ環境STMによるナノスケール表面観察 上記装置を用い,STMの標準試料であるHOPG高配向性グラファイトのプラズマ照射下でのSTM観察を行ない、帯電、2次放電など解決すべき問題は未だ残されているものの、ナノステップ像および格子像観察に成功を収めた。プラズマ環境下での固体表面のナノ構造STM観察に成功した本研究は、ナノスケールでの固体-プラズマ界面研究の新たな扉を切り開くものである。
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