本研究は、世界に先駆け、 (1) プラズマ環境中で作動する走査プローブ顕微鏡(STM;scanning tunneling microscope)開発 (2) そのラズマ材料表面プロセスの原子オーダー研究"への応用を目指したものであり、2年間の本研究の研究実績は以下の通りである。 (A) プラズマ環境中で作動する走査式トンネル顕微鏡/分光装置の開発 物性研究用のプラズマ環境中で安定的に作動する走査式トンネル顕微鏡/分光(プラズマSTM/STS)の開発を行った。440MHz高周波プラズマ発生装置とSTM系が真空チャンバー内に収められている。特に、STS測定モードを新たに付け加えるため、プラズマからのプラズマポテンシャル、電流ノイズ対策もかねた、耐高圧低ノイズ用計測回路への変更を行うとともに、プラズマによるピエゾ系への影響(経時変化)の低減を目指したピエゾパートの構造設計をおこなった。 (B) プラズマ-材料固体表面ナノスケールその場観察 上記のプラズマSTM/STSを用い、HOPGおよびSrTiO_3のプラズマエッチング過程の動的・静的ナノ構造解折/電子状態計測を行い装置動作の安定化を達成した。原子構造も得られた。
|