1 実験装置…イ 気体(炭酸ガス)液化のための圧縮装置、圧力計などを購入し、測定系製作。 ロ オゾン発生用の光導入とオゾン濃度測定用の光導入導出のサファイア窓のついた高圧容器を設計製作した。 ハ オゾン濃度測定用UV分光分析装置はないので、校長の紹介で超臨界流体の専門家がいる東北工業技術研究所にお願いし、装置、場所も借りて指導を受けながら実験した。なおXPS、X線回析などの表面分析も上記研究所から多大なご支援を頂いた。 2 実験…イ 1-ロの高圧容器の製作(外注)には耐圧試験を含めて時間がかかったので、上記研究所から窓なしの高圧容器を借用し、アルマイト処理表面も一部にもつアルミニウム材料の表面清浄化を目的としてオゾンを使わない超臨界炭酸ガスを使った処理実験を先行し、次の結果を得た。ただし、特性の評価はXPS分析による炭素、酸素、アルミニウムの三元素の存在割合(%)で行った。 a 以下の結果は超臨界炭酸ガスの条件、圧力(100-250気圧)と温度(40-100C)に殆ど依存しない。 b アルミ表面およびアルマイト表面の汚れはおちた。これは炭素の割合で90から70(%)で、期待値以下である。表面汚れの同定とそれに見合った処理条件の探索が必要である。 c 水および食塩をわずか加えた処理でも汚れは落ちる。水の効果は予想していたように表面を酸化させる。しかも不均一である。この不均一性は容器のスレンレス鋼とアルミのイオン化傾向の違いを反映していた。 d アルミ表面には炭酸結合が検出された。これは真空装置材料処理としてはガス放出性を低下させる。要注意。 ロ UV分光分析装置を用いて、1気圧の大気、炭酸ガス、酸素、液体炭酸ガス、同酸素、アセトン、エチルアルコール、超臨界炭酸ガス、同酸素、さらにアセトンを含んだ超臨界炭酸ガスのUVスペクトルを採った。 a それぞれにはオゾン検出を妨げるピークは存在しない。ただし不純物を含む場合、注意が必要。 b オゾン生成は当初UV光を導入することを考えていたが分光器を考慮して生成したガス導入が良い。
|