研究概要 |
眼鏡枠として、従来の洋白などの金属に替り、最近では純チタンやチタン合金がさかんに使われるようになった。しかし、チタン系金属は加工が難しく、現在、冷間加工はほとんど行われていなく、切削加工のみによって眼鏡枠に加工されている。そこで、本研究においては、冷間または熱間プレスによるチタン系材料の加工を試みるため、まず、加圧機械の設計、製作を行った。油圧ユニットによって、14〜21MPaの加圧が可能であり、さらにダイセットとクロム、モリブデン鋼を材料とした金型を製作した。 上下、金型間にチタンの線材を置き、材料に電流を流し、その自抵抗により、約600〜700℃に加熱した結果、金型の形状どおりの加工が行われることが確認された。 しかし、加圧により試料表面が相当変色することが確認されたので、今後、アルゴンガスの吹きつけなどにより改良を行う必要がある。 また、現在の圧縮時の温度(700〜800℃)がチタン材料の相転移温度に近いため、材料に相転移が生じ、問題が生じないか調べる必要があるため、今後、高温顕微鏡、FE-SEM,EDXなどで観察する計画である。 その他、研究を進める上で、金型を高温にするために開発した、チタン系アルコキシドが粘土固形物などの形状を保つ効果があることがわかり、土造遺跡の保存材として実際に使用されるようになり、その発表も行った。
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