チタン、チタン合金は高比強度材料であるので、軽量・強度が高いが加工性が悪く、現在、冷間加工はほとんどできなく、切削加工にのみよっており材料歩留まりも約15〜20%と悪い。したがって、眼鏡枠材料としてチタン、チタン合金の熱間加工をするために、加工用のプレス機を開発した。さらにこれらの金属の持っている電気抵抗を利用して、電流を流すことによって発熱させ、加圧成形を行った。また、加圧後、表面状態を回復させるために、電解研磨などの表面処理を試みた。製作した加圧装置の圧力は油圧を用い、5000Kg/cm^2までの加圧が可能である。材料は眼鏡枠のテンプル部分を想定し、直径3〜5mmのチタン、チタン合金の加圧実験を行った。金型部分はモリブデン鋼を用いた。チタン合金線材を金型下部に挟むように固定し、交流電源を材料に通電し、材料の自抵抗で材料を発熱させるようしてある。直径3〜5mmの純チタン、チタン合金(Ti-6Al-4V)を30cmに切断し、試料とした。そして、その試料両端に交流電源50〜70Vをかけ表面温度を約700℃〜850℃にした。、金型の上部には成形加工のモデルとして凹凸が付けてある。また、上下金型の周囲には保温材で材料の温度が保たれるようにした。材料の表面温度は赤外線放射温度計で測定した。また、引っ張り試験は材料の温度が変化しないように、加圧後に万能試験機で行った。 これまでに、今回の方法による機械的性質を主に調べた。たとえば、引っ張り強さの変化を調べた結果、約300℃付近から引っ張り強さが次第に小さくなることなどがわかった。今後、これらのまとめに入りたい。
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