研究課題/領域番号 |
09555223
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山村 力 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80005363)
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研究分担者 |
坂村 義治 (財)電力中央研究所, 原子物理部, 担当研究員
田中 博 (財)電力中央研究所, 原子物理部, グループリーダー(研
前川 英己 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60238847)
佐藤 讓 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80108464)
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キーワード | レア・ア-ス / 電解採取 / 電解析出機構 / ランタン / ネオジム / 高純度 / サイクリックボルタンメトリー / 電極反応 |
研究概要 |
レア・ア-ス金属の中でも複雑な電解析出機構を有すると予想されるランタン、ネオジムなどの電解析出機構を明かにし、高純度金属を得ることを目標とした。共晶塩組成LiCl-KCl混合塩融体を電解浴としてサイクリックボルタンメトリー、クロノポテンショメトリーによる浴中の安定イオン種の形態、析出機構の検討を行った。サイクリックボルタもグラムは用いた電極材料に依存することが分かったので、電極材料としてタングステン、白金-ロジウム、金の3種類を用いて析出機構を検討した。ランタンもネオジムも白金を電極に用いた場合、カソード側にそれぞれ、2つおよび3つのピークを生じ、アノード側はカソードピークよりもさらにピーク数が多くなった。一方、カソードとして金を用いた場合にはランタンおよびネオジムのいずれの場合もただひとつのピークを生じた。電極反応の可逆性を確認したうえで、電極反応に関与する電子数を求めたところ、2.8〜3.1が得られた。従って、3価のネオジムが金属に還元される反応を生じていると結論した。しかし、白金を電極として用いた場合には金属析出電位よりも貴な電位にカソードピークが現れる。これは、電極材質と析出金属が合金化することに起因するアンダーポテンシャル析出であると推定した。実際、アノード側のピークは金属溶出電位よりも約1ボルト貴な電位でも生じた。このピークは生成した金属間化合物の再溶解に対応する。 小規模の電解採取を行ったところ、ランタンについては金属が採取されたが、ネオジムについてはオキシ塩化物を得たのみで金属は得られなかった。熱力学的考察を行い、これはネ水分や酸素分圧が高かったこととネオジムの不均等化反応に起因すると結論した。 今後、水分や酸素分圧などの電解採取の実験条件を整えるとともに、液体電極の使用などにより不均等化反応による再溶解を防止するなどの工夫を行い、高純度金属電解採取を目指す。
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