研究課題/領域番号 |
09555226
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
明石 和夫 東京理科大学, 理工学部, 教授 (00013095)
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研究分担者 |
伊藤 滋 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (10120164)
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キーワード | 窒化アルミニウム / 窒素グロー放電プラズマ / バルク状 / 繊維状物質 / 窒化率 / 水素プラズマ前処理 / 残留ガス分析 / 酸化皮膜除去 |
研究概要 |
バルク状アルミニウムを高周波誘導型窒素グロープラズマによって、約10分という短時間で、ほぼ完全に窒化することに成功した。反応条件はプラズマ出力1.85kW、反応温度約800℃、系内圧力65Pa、窒素流量100SCCMであった。得られた生成物は、SEM観察によると、直径約1μmの繊維状物質よりなり、上層部の方が比較的緻密であった。さらに、円柱状、板状、四角柱状など、様々な形状を持ったアルミニウムでも同様の条件ではほぼ完全に窒化した。ケルダール法により求められた生成物の窒化率は94%であった。またLECOにより、生成物に存在する酸素含有量は上層部が0.218%、下層部が0.316%と測定され、非常に少なかった。 さらに、窒化反応前にアルゴンおよび水素プラズマによって前処理を行い、その効果について検討したところ、水素プラズマ前処理を行った場合において、得られた生成物の窒化率が向上し、窒化反応時間が短縮する傾向が見られた。この現象について調べるため、表面を酸化させたAlを作成し、その試料を水素プラズマにさらした。この時系内のガス中の水の量を、残留ガス分析装置(購入設備)を用いて測定したところ、水分子の量は水素プラズマ処理時に増加した。このことから水素プラズマは、Al表面の酸化皮膜を除去する働きがあるものと考えられる。これらの点については今後さらに検討を行う予定である。 以上、本法は窒化アルミニウム製造プロセスを一変させ得る画期的な方法であり、さらなる最適条件の検討によってより迅速かつより高純度の窒化アルミニウムを作成できる可能性があると考えられる。
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