研究概要 |
本研究では,UV/光電子法を利用して,常圧下から減圧下に適用できる,ガス中の炭化水素汚染ガスおよび粒子状汚染物質の新しい同時除去システムを開発することを目的とした。本年度は,本法による除去装置を試作して,主に大気圧下におけるガス状および粒子状汚染物質の除去特性について調べた。その結果,以下のような知見を得ることができた。(1)様々な有機系ガスをUV光(波長254nm)照射域に通して粒子生成の有無を調べた結果,空気雰囲気において芳香族のベンゼン,トルエン,キシレン,および有機ケイ素化合物であるシロキサンについて粒子の生成を確認し,滞留時間を変化させることにより,それぞれのガスから生成する粒子の粒径分布および個数濃度を制御することができる,(2)試作した光電子発生装置に粒子生成の確認されたガスを通した場合,粒子生成が確認されなかった他のガスに比べて,出口のガス濃度が減少の割合が大きくなることから,粒子が生成することにより高効率で安定したガスの除去が行うことができる,(3)除去装置に無帯電の標準PSL粒子を導入して粒子の帯電量を調べたところ,すべての粒子が負に帯電しており,効率的に荷電が行われている。以上の結果から,UV/光電子法を用いた本除去装置は,大気圧下においてガス・粒子の同時除去を高効率で行えることが示された。
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