研究概要 |
平成10年度は.平成9年度に引き続き,水蒸気ー水系である実際の条件の代わりに,大気圧下における空気ー水系を用いて,水ジェットによる気ほうの巻き込み量の測定など,主に基礎的部分に重点を置いた実験を行うためのノズルおよび抽気装置設計に必要な基礎データの収集を行った. 今回,特にノズル穴の個数を4個に固定し,そのピッチを変化させた場合の巻き込まれる気体エントレインメント流量の影響を調査したほか,ノズルから噴出した水ジェットが衝突する液面までのノズル高さ,水ジェットの噴出速度など,昨年同様の諸パラメータの影響についても引き続き調査を行った. 本年度の実験で得られた知見は,以下に示す通りである. 1. 多孔ノズルの穴ピッチが小さい7mm以下である場合,各穴から噴出した水ジェットは合流し,一本のジェットとなって水面に突入するため,気体のエントレインメント特性は基本的に単一孔ノズルの場合とほぼ同じ傾向を示す. 2. ノズル穴のピッチを10mm以上にした場合,各水ジェットは合流しないで,独立して水面に突入するため.気体のエントレインメントは単一孔および水ジェットが合流するピッチの小さいノズルより多くなる.しかし,ピッチを大きくしすぎると,ジェットの一部が供試管内壁に接触しやすくなり,注意を要する. 3. 多孔ノズルから噴出する各ジェットが合流することなく,独立して水面に突入する場合,ノズル穴の個数が変わっても,1本の水ジェットが気体のエントレインメント流量に貢献する量は同じである.
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