研究概要 |
ウイルス除去膜並びに多孔性平膜を用い、DNA並びにウイルスを含む水溶液のろ過特性を明らかにした。さらに、DNA分子のコンホメーションと変形能、膜透過性との関連性を明らかにし、膜内部でのDNAの変形状態を明らかにした。 具体的には、 1.平均孔径15,35,75nmのウイルス除去膜を用い、各種のDNA(Calf thymus DNA(一本鎖DNA並びに二本鎖DNA),Salmon DNA(一本鎖DNA並びに二本鎖DNA)並びに再構築クロマチンの排除率をウイルス除去用中空糸膜透過評価装置を用いて測定し、孔径とDNA排除性との関連を検討した。特にDNA分子のコンホメーション(二本鎖と一本鎖DNA並びにクロマチン状等)と変形能、膜透過性との関連性を明らかにした。さらに、膜内部でのDNAの変形状態の観察を干渉顕微鏡を適用して明らかにした。 2.平均孔径15,35nmのウイルス除去膜並びに多孔性平膜を用い、蛋白質(免疫グロブリン)共存下並びに塩存在下におけるDNAの排除率を測定し、孔径とDNA排除性との関連を検討した。塩濃度が0.4M以上では、膜の孔径に関わらずDNAはほぼ100%排除することができた。蛋白質共存下でも、膜の孔径に関わらずDNAはほぼ100%排除することが観察されたため、塩存在下並びに、蛋白質存在下では、DNAは球状のコンホメーションを取ることが示唆された。 3.平均孔径15,35,75nmのウイルス除去膜を用い、各種のウイルス(日本脳炎ウイルス、エイズウイルス、ポリオウイルス等)の排除率をウイルス除去用中空糸膜透過評価装置を用いて測定し、孔径とウイルス除去性との関係を検討した。
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