研究課題/領域番号 |
09555243
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
奥原 敏夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (40133095)
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研究分担者 |
国松 敬二 (株)イムラジャパン, 研究担当取締役
中戸 晃之 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (10237315)
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キーワード | 水中触媒 / 固体酸 / クリーン化学プロセス / ヘテロポリ酸 / 微粒子 |
研究概要 |
現在の化学工業プロセスではH_2SO_4,HFやAlCl_3を用いる古典的なものが多くあり、廃触媒の処理や反応系の分離に莫大なコストを費している。これらのプロセスを水中で機能する固体触媒に置き換えることができれば、コストの大幅減と環境にやさしいクリーン化学プロセスが実現する。本研究では、水中で機能する触媒素材としてヘテロポリ酸性塩を選び、オレフィンの水和、ニトリルからのアルキルアミド合成を検討した。水への完幸不溶性の向上、さらには分離操作を容易にするための二次粒子制御(固定化)を行った。H_3PW_<12>O_<40>のCs酸性塩、Cs_xH_<3-x>PW_<12>O_<40>を系統的に合成し、その細孔構造(サイズ、形状)を解析した。細孔のサイズは現有の細孔分布測定装置で行い、ミクロ孔領域については現在唯一の方法と考えられる分子サイズの異なる分子の吸着(モレキュラープローグ法)によって解析した。Cs酸性塩では、Cs量に依存して細孔が5Åから40Åまで制御できた。表面の疎水性・親油性をH_2O、ベンゼン吸着法で解析した結果、Cs酸性塩では水の吸着が阻害され、水中触媒としての機能を備えていることが分かった。 水中触媒の実用のためには、触媒素材の二次粒子制御が不可欠である。すでに、Nb_2O_5表面上に固定化することによって分離操作性の著しい向上が得られた。大過剰水存在下でのニトリルのアルコール化、オレフィンの水和を検討した結果、Csが2.5当量置換した塩が他の固体酸に比べて優れた触媒特性を示すことを明らかにした。
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