水中で機能する触媒素材としてヘテロポリ酸性塩を選び、オレフィンの水和、ニトリルからのアルキルアミド合成、固相ベックマン転位を検討した。大過剰水存在下でのオレフィンの水和では、工業プロセスであるシクロヘキセン水和ではH-ZSM-5が有効であったが、かさ高いオレフィンではCs2.5塩が優れた活性を示した。また、現在過剰硫酸で実用化しているアクリロニトリルのイソプロパノールによるアミド合成では、ヘテロポリ酸系触媒では収率は低いが、触媒的に反応を進行させた。固体-固体触媒反応ではCs2.5を用いてベックマン転位反応を行い373Kで触媒的に反応が進行することを見出した。分子形状選択反応においては、Cs2.1塩やその二元機能触媒であるPt-Cs2.1がオレフィン水素化やパラフィンの酸化にシャープな選択性を与えた。新しいタイプの多孔性触媒として注目さわる。
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