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1997 年度 実績報告書

気相を介する新規合成法によるゼオライト膜の調製とその機能の評価

研究課題

研究課題/領域番号 09555247
研究機関早稲田大学

研究代表者

松方 正彦  早稲田大学, 理工学部, 助教授 (00219411)

研究分担者 板橋 慶治  東ソ株式会社, 南陽研究所, 主席研究員
小倉 賢  早稲田大学, 理工学部, 助手 (50298155)
キーワードゼオライト / 無機膜 / 分離 / ドライゲルコンバージョン / 気相輸送法 / 合成 / ベータ / ZSM-5
研究概要

まず、乾燥状態のゲルを有機結晶化剤蒸気雰囲気下で結晶化させる方法(気相輸送法)により、SiO_2/Al_2O_3比=1000のMFI型ゼオライト膜を平均細孔径0.1μmの多孔質アルミナ平板に製膜した。特に緻密な膜の合成に重要な条件は原料中のアルカリ濃度であった。アルカリ濃度Na_2O/SiO_2比=0.13-0.23の範囲で緻密な膜が得られた。ベンゼン/n-ヘキサンの浸透気化分離試験を行なった。ピンホールがわずかでも存在すると全く選択性を示さなかったが、ピンホールフリーの膜では等モル混合物で5程度の分離係数を示した。以上の結果は、分離機能の発現にはピンホールの制御、すなわちゼオライト結晶粒界の制御が本質的に重要であることを示している。
ゼオライト膜を工業的に用いるにはモジュール化が必須であり、それにはチューブ状支持体への製膜法の開発が必要である。そこで、上記で確立した合成条件を用いて、外径7mmのチューブ状アルミナ多孔質支持体への製膜を試みた。チューブ表面への均一な製膜には、ゲルを支持体細孔中へ吸引・製膜することが必要であった。また、乾燥途中でゲルが重力あるいは毛管凝縮によって片寄らないよう、工夫した。こうして得られた膜を用いて、窒素/二酸化炭素混合物の透過試験を行なったところ、表面拡散の効果による選択性の発現を認めた。
またMFI型ゼオライトより大きい細孔径をもつBEA型ゼオライトの製膜も試みた。SiO_2/Al_2O_3比=100のゲルにテトラエチルアンモニウム水酸化物を混合し、これをアルミナ多孔質支持体上に製膜・乾燥後、180℃にて自己圧の水蒸気中で結晶化を行なった。当初、このゲルのpHが14以上と高いので、合成中に支持体からアルミニウムが溶出し、ゲル中に取り込まれ、MTWといったBEA以外の相が得られた。しかし、ゲルのpHの調整など合成条件を検討し、BEA純相の膜が得られる条件を見いだした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] M.Matsukata et al.: "Zeolitic Membranes:Synthesis, Properties and Prospects" Bull.Chem.Soc.Jpn. 70(10). 2341-2356 (1997)

  • [文献書誌] E.Kikuchi et al.: "Synthesis of a Zeolitic Thin Layer by a Vapor-Phase Transport Method" Microporous Materials. 11. 107-116 (1997)

  • [文献書誌] P.R.H.P.Rao et al.: "Crystallization of High Silica BEA by Dry Gel Conversion" Appl.Catal.A166. 97-103 (1998)

  • [文献書誌] N.Nishiyama et al: "Gas Permeation through Zeolite-Alumina Composite" AIChE.J. 43(11A). 2724-2730 (1997)

  • [文献書誌] 松方 正彦: "ゼオライトの合成および膜作成技術の最新の進歩" セラミックス. 32(5). 351-355 (1997)

  • [文献書誌] 松方 正彦: "ゼオライト単結晶膜による分子の分離" 化学. 52(9). 66-77 (1997)

  • [文献書誌] 松方 正彦: "最近の化学工場の進歩 49「膜技術の動向と将来展望」" 化学工業社, 190 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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