研究概要 |
まず、乾燥ゲルを有機結晶化剤蒸気や水蒸気中で結晶化させる方法(ドライゲルコンバージョン法)により、SiO_2/Al_2O_3=50とローシリカなMFI型ゼオライト膜を平均細孔径0.1μmの多孔質アルミナ平板上に製膜した。特に、緻密な膜の合成条件はアルカリ濃度であった。 Na_2O/SiO_2=0.32-0.41、H_2O/SiO_2=80にて緻密なMFI膜が得られた。1,3,5-トリイソプロピルベンゼン(TIPB)の透過流束は測定限界(1×10^<-10>mol m^<-2>s^<-1>Pa^<-1>)以下であった。TIPBはMFI型ゼオライトの細孔より大きく、TIPBの透過は膜が緻密でないことを表している。150℃における、アクリル酸と窒素の2成分透過実験では、アクリル酸が選択的に透過し分離係数は2.6であった。MFI型ゼオライト膜を用い、高温での有機化合物選択的除去ができることを示した。 また、MFI型ゼオライトより大きな細孔径をもつBEA型ゼオライト膜の製膜を行った。結晶化剤として、テトラエチルアンモニウム水酸化物を用い、180℃自己圧下の水蒸気中で合成を行った。SiO_2/Al_2O_3=90、Na_2O/SiO_2=0.20にてBEA膜の製膜に成功した。また、単成分ガス透過試験では、二酸化炭素の透過速度が窒素やメタンより大きかったことより、Knudsen拡散以外の透過機構の寄与があることが示された。
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