研究課題/領域番号 |
09555256
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
今村 維克 岡山大学, 工学部, 助手 (70294436)
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研究分担者 |
宇多川 隆 味の素(株), 生産技術部, 部長(研究職)
中西 一弘 岡山大学, 工学部, 教授 (90026584)
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キーワード | サーモライシン / 固定化酵素 / 二相系反応 / 失活速度 / ペプチド合成 / アスパルテーム |
研究概要 |
本年度は、サーモライシン(EC3.4.24.4)により触媒されるZ-L-Asp-L-PheOMe(Z-;N-(Benzyloxycarbonyl),-OMe;Methyl ester)前駆体合成反応(縮合反応)を取り上げ、安定性と反応特性の改変のために必要な有機溶媒中での固定化酵素の安定性に及ぼす諸因子の把握とその機構の解明を行うとともに合成速度と平衡関係の定量的予測方法について実験的ならびに理論的検討を加えた。 基質の分配モデルに基づいて、有機溶媒系でのジぺプチド合成初速度の推定を試みたが、1)水/有機溶媒二相系での遊離酵素を用いた場合の合成初速度は分配モデルと飽和バッファー中での速度式を用いることにより推算可能であること、2)有機溶媒中で固定化酵素を用いた場合の合成初速度は、酵素の有効利用度の低下を考慮することにより酢酸エチル中では精度良く推定できること、3)t-アミルアルコール中では、担体内部の水相の状態の違いにより実験結果は計算結果と傾向が若干異なることを示した。 固定化酵素の安定性に関しては、特に水難溶性有機溶媒中での失活速度について検討を行い、1)固定化酵素の失活は主として担体内部での自己消化によるものであること、2)自己消化の程度は有機溶媒の種類、水分濃度、担体の種類に影響されるが、これは固定化されている酵素分子周囲の水相の状態が異なるためであることを明らかにした。
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