研究課題/領域番号 |
09555259
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研究機関 | 北九州工業高等専門学校 |
研究代表者 |
畑中 千秋 北九州工業高等専門学校, 化学工学科, 教授 (80180884)
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研究分担者 |
石川 元 旭化成工業(株), 研究開発推進本部, 部長代理
後藤 宗治 北九州工業高等専門学校, 化学工学科, 助手 (40259966)
井手 俊輔 北九州工業高等専門学校, 総合科学科, 教授 (10041550)
原口 俊秀 北九州工業高等専門学校, 化学工学科, 教授 (00038598)
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キーワード | 生物化学工学 / バイオリアフタ- / ホローファイバー / 固定化菌体 / ポリビニルアルコール / プラズマ処理 / アルコール醗酵 |
研究概要 |
微生物の固定化担体としてポリエチレン、ポリサルフォン中空糸を選び、これらの疎水表面を親水性に改質する検討を行った。表面改質の方法として水蒸気、炭酸ガス、アンモニア雰囲気下で低温プラズマ処理を行い、親水基の導入を図った。すなわち、プラズマリアクター内にポリエチレン、ポリサルフォン中空糸をセットし、種々のガスを通しながら、5Pa付近に調整しつつ13,56MHz、30〜50Wの高周波電力を投入してリアクター内部にグロー放電を発生させ、0〜10min間処理した。その結果、これらのプラズマ処理によって水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の親水基が導入される事実をESCA、FT-IRにより確認した。この時、プラズマ処理の最適条件は30W,5minあるいは50W,3minであることが明らかになった。また、これらの基が導入されることにより親水性が高まることが確認された。この様に改質された中空糸表面に微生物は単独でも緩い結合で固定化されることを確認した。一方、菌体をポリビニルアルコール(PVAと略記)に分散させてスラリーとし、これにプラズマ処理済み中空糸を浸漬して菌体薄膜を形成させ、さらに、-20℃以下に凍結してPVAゲルを形成させ、このマトリックス内に菌体を包括囲定化することによってより強固な固定化が可能なことを見いだした。この時、固定化率は使用するPVAの分子量、ケン化度、凍結温度によって著しい影響を受けることがわかった。その最適条件は操作性も考慮に入れて、PVAの分子量は7〜l0万、ケン化度は99%以上であることが明らかとなった。また、凍結温度は-30℃以下に保持することによって強固なゲルが形成されることがわかった。これらの条件により、酵母を固定化し、グルコースよりアルコールの変換を中空糸表面で行ったところ、37℃、24時間でアルコール変換率は90%以上が達成され、また、表面の電顕による観察の結果、酵母は中空糸表面で活発に増殖していることがわかった。
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