研究課題/領域番号 |
09555260
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 博 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (00117194)
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研究分担者 |
諸角 達也 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50271713)
早下 隆士 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70183564)
吉田 登 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (00158461)
田中 俊逸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (30142194)
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キーワード | 錯形成 / 分子認識 / 蛍光スペクトル / クラウンエーテル / アルカリ土類金属 |
研究概要 |
平成10年度は、錯形成により蛍光強度が増加する試薬として、ポリオキシエチレン鎖にアミド結合を介してナフタリン環を導入した化合物を合成した。 まず、市販のポリエーテル鎖の両端にアミノ基を有する化合物を出発原料とし、これに通常の縮合方法を用いて両端に2つの1-ナフトエ酸を導入した。この化合物について、種々の条件での蛍光スペクトルを測定した。 まず、金属イオンが存在しない(Free)状態では、ほとんど蛍光を発しないことがわかった。2-ナフトエ酸を導入した化合物では、通常のナフタレンの蛍光を発することから、「1位のアミド基の自由回転が阻害されている」か、「アミド基がナフタレン環と同一平面をとれないため」、と考えた。また、このことは参照化合物である1位にアルキルアミド基を持つナフタレンでも同.様に蛍光を発しないことからも支持される。 金属イオンとして種々検討した結果、アルカリ土類金属イオンであるカルシウムイオンを添加すると、その料に伴って400nm付近に蛍光発光が見られるようになった。この蛍光強度は金属イオンが1:1のときに最大となり、1:1錯体を形成していることがわかった。このスペクトルの形はモノマーとは異なっていた。NMR測定からは、2つのナフタレン環が錯形成により近づいて相互作用をしていることがわかった。このことから蛍光スペクトルはエキシマー的な発光であると考えられた。
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