研究課題/領域番号 |
09555262
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大谷 肇 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (50176921)
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研究分担者 |
平田 幸夫 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (10126948)
斉藤 宗雄 日本分光株式会社, 第2技術部, 研究主任
石田 康行 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70273266)
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キーワード | 超臨界流体 / 有機材料 / 反応分解 / 水酸化テトラメチルアンモニウム / 光安定剤 / HALS / 多不飽和脂肪酸 / 熱分解 |
研究概要 |
本年度はまず、引き続き超臨界流体場での材料の化学反応分解の基礎検討として、種々のポリマー材料の各種反応試薬共存下での反応熱分解ガスクロマトグラフィーによるキャラクタリゼーションを行った。ここでは、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)共存下での反応分解を利用して、実用的なポリオレフィン樹脂にしばしば添加されている、高分子量ヒンダードアミン型光安定剤(HALS)を、樹脂からの抽出操作等を行うことなく、迅速簡便かつ高速度に定量する、画期的な手法を開発した。続いて、TMAHの使用では困難であった、脂質中の多不飽和脂肪酸成分を、反応熱分解の手法により正確に分析することを、反応試薬として水酸化トリメチルスルホニウムを使用することにより達成することに成功した。 これらの基礎検討の結果をうけて、反応温度や反応時間などの分解条件を制御でき、超臨界流体状態をも達成できる、マイクロカプセルを利用した新しい反応熱分解法の開発も試みた。その結果、紙中の微量添加剤分析に際して、カプセル内で反応熱分解を行うことにより、紙マトリックス中のセルロースの分解が著しく促進されることを利用して、微量の添加剤成分をより高速度に検出する手法を開発することが出来た。さらに、これまでは解析が困難視されていた、ポリカーボネート中の不溶性微小異物(いわゆるフィッシュ・アイ)を分析することが初めて可能になり、その架橋化学構造に関する直接的な知見を得ることができた。
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