研究概要 |
1 LiMn_2O_4とポリピロールの複合体ナノチューブの充放電特性 200nmのポアサイズを有するメンブランフィルターを鋳型に用いてLiMn_2O_4のナノチューブ集合体を合成し、それへピロールの酸性水溶液を塗布することにより,LiMn_2O_4とポリピロールの複合体のナノチューブを調製した。そしてリチウム二次電池の正極活物資として用いて充放電特性を調べた。その結果,ポリピロールが導電剤兼活物質として機能することによる優れた充放電挙動を示すことが解り,また同量のLiMn_2O_4で調製した通常の正極活物質よりも10倍以上の速度で充放電反応を行えることを見出した。 2 ポリ(3-ベキシルチオフェン)と人造黒鉛の複合膜の負極活物質としての電気化学特性 リチウムイオン電池の負極材料の候補である人造黒鉛とポリ(3-ヘキシルチオフェン)のクロロホルム溶液を混合し、電極基体に塗布し乾燥することによって両者の複合膜を調製した。そして負極活物質としての充放電特性を調べたところ,人造黒鉛と高分子の両者のレドックス反応を有効に用いることが出来,またポリ(3-ヘキシルチオフェン)が人造黒鉛の不可逆容量を低下させる効果を有していることがわかった。 3 ポリアニリンとV_2O_5複合体の充放電特性 V_2O_5粒子とポリアニリン溶液を混合する,あるいはV_2O_5粒子を分散させた酸性水溶液中にアニリンを添加して化学的に酸化重合することによって、ポリアニリンとV_2O_5の複合体を調製した。そしてこの複合体がリチウム二次電池の正極活物質として優れた特性を有していることを見出した。
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