研究課題/領域番号 |
09555271
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
米山 宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80029082)
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研究分担者 |
太田 璋 松下電池工業(株), 技術研究所, 所長
桑畑 進 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40186565)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | ポリ(3-ヘキシルチオフェン) / ポリアニリン / ポリピロール / 人造黒鉛 / V_2O_5 / LiMn_2O_4 / 複合体 / リチウム二次電池 |
研究概要 |
1 ポリ(3-ヘキシルチオフェン)と人造黒鉛の複合体の負極活物質としての電気化学特性 リチウムイオン電池の負極材料の候補である人造黒鉛とポリ(3-へキシルチオフェン)のクロロホルム溶液を混合し、銅集電体に塗布し乾燥することによって両者の樵合体を調製した。その負極活物質としての電気化学特性を調べたところ、人造黒鉛と高分子の両者のレドックス反応を有効に用いることができ、またポリ(3-ヘキシルチオフェン)が人造黒鉛の不可逆容量を低下させる効果を有していることを明かとした。 2 ポリアニリンとV_2O_5複合体の正極活物質としての電気化学特性 ポリアニリンのN-メチルピロリドン溶液にV_2O_5結晶粒子を分散させ、それをニッケル集電体に塗布して乾燥させることによってポリアニリンとV_2O_5の複合体を調製した。複合体を正極に、リチウム板を負極に用いて充放電特性を調べた結果、複合体のポリアニリンがV_2O_5粒子のバインダー兼導電性マトリクスとして機能することにより、V_2O_5の充放電反応をスムーズに進行させ、V_2O_5の利用率はほぼ100%に達した。さらに、ポリアニリンの酸化還元反応による電気量も活物質の充放電容量に寄与するので、充放電容量密度は炭素材料の導電性マトリクスとテフロン製バインダーを用いて調製する通常のV_2O_5正極活物質のそれよりも大きなものとなった。 3 ポリピロールとLiMn_2O_4の複合体の調整と4V級リチウム二次電池の正極としての特性 LiMn_2O_4粉末を分散させた酸性水溶液にピロールを滴下すると、LiMn_2O_4が酸化剤として働くことによってピロールの酸化重合が進行し、ポリピロールとLiMn_2O_4の複合体が調製される。粉末を集電体とともに加圧成形して、4V級リチウム二次電池用の正極活物質として調べたところ、ポリピロールはバインダー兼導電性マトリクスとして機能することがわかった。また、4V vs.Li//Li^+の電位領域では、ポリピロールはキャパシターとしての特性を示すが、複合体ではそれによる充放電容量も利用できることがわかった。
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