研究課題/領域番号 |
09555274
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山根 久典 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (20191364)
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研究分担者 |
染野 義博 東北アルプス(株), 電子部品事業本部, 研究開発職
岡部 徹 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (00280884)
窪田 俊一 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (10271975)
遠藤 忠 東北大学, 工学部, 教授 (30176797)
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キーワード | ナトリウムフラックス / 窒化ガリウム単結晶 / ナトリウムアジ化物 |
研究概要 |
GaN単結晶作製に用いた原料は、NaN_3(99.9%)と金属Ga(99.9999%)である。NaN_3は300℃で熱分解し、窒素ガスと金属ナトリウム融液になる。窒素雰囲気中で、NaN_3:3.6mmol(0.234g),Ga:0.5〜16.0mmol(0.035-1.116g)をSUS316容器内に封入した。このチューブ容器600から800℃、24から100時間加熱後、炉冷した。金属ナトリウムをイソプロピルアルコールとエタノールで反応させて取り除き、試料を取り出した。得られた生成物の結晶相を粉末X線回折法を用いて同定するとともに、結晶の形態を走査電子顕微鏡で観察した。 700〜750℃、24時間の加熱では、Na/(Ga+Na)モル比(r_<Na>)が0.7以上の領域で、微結晶または粉末状のGaNが得られた。GaN粉末の格子定数はa=3.1896,c=5.1854Åで、文献値とよく一致した。大きさが0.1mm以上の単結晶は、24時間の加熱の場合、700℃以上で得られた。その原料組成条件は、GaNの生成がみられた組成領域の中ではもっともr_<Na>の値が小さな条件(r_<Na>=0.37)であった。これらの試料中には、金属ガリウムまたは、金属ナトリウムとガリウムの金属間化合物とみられるものも含まれていた。600℃では、40時間の加熱によって、0.1mm以上の単結晶が生成した。r_<Na>=0.47、700℃、100時間で得られたGaN単結晶は、無色透明もしくはやや白濁した六角板状の単結晶であり、一辺の大きさが0.5mm以上、厚みが0.05mm程度のものが得られた。750℃、r_<Na>=0.37、100時間の加熱では、柱状や塊状の単結晶が得られた。塊状のものは大きいもので0.8×0.8×0.8mm以上のサイズをもつものがあった。結晶の色は、透明で黄色がかったものからオレンジ色、青などであった。この条件で得られた試料の中には、大きさ0.4×0.2×0.2mm程度で水晶のような六角柱状の形態をもった結晶も含まれていた。今後は結晶成長機構の解明とGaN単結晶の特性評価を行う。
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