研究課題/領域番号 |
09555276
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
木野村 暢一 山梨大学, 工学部, 教授 (50029732)
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研究分担者 |
阪根 英人 山梨大学, 工学部, 助教授 (50252010)
熊田 伸弘 山梨大学, 工学部, 助教授 (90161702)
鈴木 喬 山梨大学, 工学部, 教授 (60020385)
仲山 一郎 日本酸素(株), 技術開発本部, 室長
川上 浩 日本酸素(株), つくば研究所, 室長
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キーワード | 酸素燃焼 / 酸素・窒素分離 / 架橋粘土鉱物 / リン酸ジルコニウム有機誘導体 / 多孔体 |
研究概要 |
省エネルギーでかつ地球環境にもやさしいこれからの燃焼技術である酸素燃焼を実用化するためには廉価な酸素を供給することが、必要不可欠である。本研究においては、窒素および酸素と多様な化学的・物理的相互作用を持たせることのできる多孔性架橋層状化合物を用い吸着分子との相互作用を制御し、常温常圧近傍での空気中の酸素・窒素の分離を可能とする材料の開発を行うものである。 本年度は、モンモリロナイトの層を酸化鉄で架橋した後二次的な処理を施してピラーをバリウムフェライト組成にしたものは、酸素に対する選択性が窒素よりも大きかったが、吸着量は少なく、安定性もよくなかった。そこで、鉄イオンとバリウムイオンを共存させた溶液でイオン交換し、生成物を加熱処理することとした。その結果、バリウムフェライトで架橋された粘土化合物が直接合成でき、吸着量(1.5ml/g)および酸素選択性(O_2/N_2=4.4)も向上した。粘土をホストとする研究は、さらに炭素との複合化も試みた。その結果、600℃以下の温度で部分炭化させた場合吸着量(1.6ml/g)および酸素選択性(O_2/N_2=2.0)ともフェライト架橋の場合に匹敵する性能が得られた。 α-リン酸ジルコニウムのに加え、γ-リン酸ジルコニウムのシリル化による複合体合成の検討も開始した。その結果、多くのシラン化合物についてシリル化が可能であり、層間距離はαの場合よりも大きく、より大きな比表面積が期待できることがわかった。その他フェライト粉末のシリル化による高比表面化も試み、酸素に対する高い選択性の結果が得られている。 以上、さまざまな物質について検討した結果酸素に対してより高い選択性を持つ物質の存在が明らかとなった。今後は、さらに選択性を高め、吸着量を増加する必要がある。
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