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1997 年度 実績報告書

C_<60>とγ-シクロデキストリンからなる人工ニトロゲナーゼの開発

研究課題

研究課題/領域番号 09555289
研究機関近畿大学

研究代表者

武隈 真一  近畿大学, 理工学部, 助教授 (00171629)

キーワードC_<60> / γ-シクロデキストリン / Bicapped C_<60> / 人工ニトロゲナーゼ / Fe^<2+> / 18-crown-6 / 電子移動のメディエーター / N_2固定 / NH_3発生
研究概要

本研究は,C60の生物的機能,特に酵素的機能に着目し,水溶性で安定なC60/γ-シクロデキストリン1対2型包接体(Bicapped-C60)の効率的構築法を確立し,このBicapped-C60の錯体特性および人工ニトロゲナーゼ的特性について鋭意検討した。
Bicapped-C60の分子設計:人工ニトロゲナーゼ的機能の研究を行うためには,C60の特性を保持したまま水溶性にする必要があるため,γ-シクロデキストリンを用い,2箇所の疎水場(反応中心)を有するBicapped-C60(C60/γ-シクロデキストリン1対2型包接体)の構築を行った。
Bicapped-C60の構築:C60を含むトルエン溶液とγ-シクロデキストリン水溶液の2層系で48時間,加熱・環流を行うことにより,Bicapped-C60が水層に紫色沈澱物として得られる。次に,Bicapped-C60懸濁水溶液に窒素ガスを約15分間吹き込むことにより,Bicapped-C60を徐々に溶解させ,ろ過後ろ液の凍結乾燥を行い,紫色の水溶性Bicapped-C60を定量的に得た。
Bicapped-C60の物性および機能:人工ニトロゲナーゼ的機能発現を研究していく上で,極めて重要な電子供与体(還元剤)からBicapped-C60のC60への電子移動について,電子スペクトルを用いて詳細に検討した。電子供与体として亜ニチオン酸ナトリウム(Na2S204)を,電子移動のメディエーターとして酸化鉄(II),18-クラウン-6/Fe^<2+>錯体(水から生成したものとエタノールから生成したものとの2種類)を用いたところ,いずれの場合も効率的なC60^<1->およびC60^<2->の生成が確認できた。そこで今度は,Bicapped-C60の二つの疎水場を反応場として,電子供与体からの電子移動により生成したC60^<1->およびC60^<2->に配位した窒素への電子移動が効率的に起これば,プロトンとの作用で効率的にアンモニア(NH3)が発生するであろうと期待した。そこで,Bicapped-C60を触媒として,水溶液中窒素ガスの存在下で上記反応条件下,窒素固定の研究を展開させたところ,アンモニア(NH3)の発生が確認出来た。現在は,より効率的にアンモニア(NH3)を発生させるための反応条件の最適化(turnoverの向上に関する研究)に取り組んでいる。
なお,これら詳細については,The 2nd International Forum on Chemistry of Functional Organic Chemicals (IFOC-2),November 17-18,1997,Tokyo,Japan,Abstr.Poster-50 (p.80)で報告した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 武隈真一, 他8名: "Crystallization and Preliminary Crystallographic Studies of Pink Color Chromoprotein from Pleurotus salmaneostramineus L.Vass." Acta Cryst.Sect.D. D53. 335-336 (1997)

  • [文献書誌] 武隈真一, 他4名: "酢酸中におけるグアイアズレンとフタルアルデヒド,イソフタルアルデヒドおよびテレフタルアルデヒドとの反応" 日本化学会誌. 1998・4(4月号に掲載決定). (1998)

  • [文献書誌] 武隈真一, 他2名: "Investigation of Indolone-Photosynthetic System" Japan Society for the Promotion of Science 116 Committee Report. 49. 53-56 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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