研究課題/領域番号 |
09555290
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
坂入 信夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (60153863)
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研究分担者 |
情野 治良 ピアス株式会社第一事業本部, 副主任研究員
戸倉 清一 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (40000806)
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キーワード | シクロデキストリン / キトサン / キチン / 包接剤 / 多糖類 |
研究概要 |
本研究では、食品廃棄物より大量に得られる多糖キチンを出発物として包接能を有する環状オリゴ糖シクロデキストリンを結合させることにより生体親和性を持った新しい高分子包摂剤を合成する方法の開発を検討した。まず、キチンとシクロデキストリンの結合法を種々検討した結果、還元的アミノ化反応を利用する方法が最適であることを見いだした。シクロデキストリンをアリル化しついでその二重結合をオゾン酸化することでアルデヒド基に変換した。一方、キチンを脱アセチル化して酸性水溶液に可溶なキトサンを調製し、還元剤存在下、アルデヒド性シクロデキストリン誘導体との縮合を行った。この方法により各種環サイズの異なるシクロデキストリンを高分子量キトサンへ導入可能となった。色素を用いた分光学的検討の結果、生成物はいずれも出発シクロデキストリンと同様に低分子有機化合物と包接複合体を形成できることが判明した。こうして得られたシクロデキストリン結合キチン誘導体は医療材料・化粧品添加物あるいは新しい分離システムへ利用可能な新素材等としての可能性が示された。本研究費で購入した設備備品類は合成中間体および最終生成物を分離精製するために使われた。
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