研究課題/領域番号 |
09555300
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
久保田 弘敏 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30114466)
|
研究分担者 |
綿貫 忠晴 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00182965)
|
キーワード | 表面摩擦 / 摩擦抵抗 / 非接触測定法 / シリコンオイル膜 / レーザー光干渉 / 発光性塗料 / 層流制御 |
研究概要 |
平板上の空気摩擦力を非接触で精度よく測定できれば、層流から乱流への遷移の予測等が正確に行え、流れの安定性の研究の発展に大きく貢献できる。平板のみでなく、曲面上の空気摩擦力を測定できれば、航空機の翼面や胴体の摩擦抵抗を知ることができ、実用化の可能性が高くなる。 本方法は、物体表面に置いた薄いオイル膜が空気摩擦によって移動し、その厚さが変わることを利用し、オイル膜の厚さを測定することによって空気摩擦力を得る方法であり、当初、2本のレーザー光の、オイル膜表面で反射するものとオイル膜を透過するものとの干渉を物体に固定した光ファイバで受けることを原理とし、非接触かつ直接的、高精度で空気摩擦力を測定する方法を指向した。さらに、発光性塗料を利用する方法の適用可能性を検討した。この方法は、シリコンオイル内に発光性塗料を含ませると、その発光強度はオイル膜の厚さに比例することから、発光強度を測定すればオイル厚さがわかることを原理としており、レーザー利用による方法と同様に非接触測定の長所を有する。 この2方法を、迎え角なしの平板、迎え角ありの平板および翼型、層流制御(境界層吸い込み)を有する平板に適用し、それぞれの結果の誤差評価を行うことにより、これらの方法は装置の構成が比較的簡単で、短時間、低コストの表面摩擦測定が可能であることを示した。さらに両者の長所の融合を図る方法を検討し、実用問題への適用および本方法の改善への提言を通じて、非接触型表面摩擦測定法の将来展望を考察した。
|