本年度は申請課題の初年度として、以下の研究を行った。 (1)爆薬駆動高速負荷装置の試作とそれを使用した動的破壊実験 試作装置は鋼製フレームに取り付けた装薬室に電気雷管(6号)を装着し、雷管の爆発によって生じる衝撃力を負荷ピストンに作用させて、供試体に高速荷重を負荷させることが出来る。この方式は安値で超高速の負荷を生じさせることが出来る。供試材料として、コンクリートおよびモルタルに作用させてこの方式の有効性を検証した。購入したロードセルを使用して荷重速度を求めた結果、装薬室に水を注入させて圧力を高めることにより、一秒あたり25000トンの値を得た。本年度の実験で装置改良の必要性があり、また、その性能を購入したレーザー振動計で明らかにする必要がある。 (2)くさび形空洞を有する装薬ホルダーを使用したき裂進展挙動観察 岩石のような脆性材料中を伝ぱする高速き裂に関する実験を考案した装薬ホルダーを使用して行った。この装薬ホルダーを使用することによって、あらかじめ特定した方向へき裂を進展させることが出来る。本年度は岩質材料としてモルタルを使用してその有効性を検証した。き裂進展挙動の観察には2個のハロゲンランプと既設の高速度ビデオ撮影装置を使用した。実験の結果、き裂面は開口き裂として進展するのではなくて、ブリッジングした微少き裂がその幅を拡大しながら開口し、破断面が形成されることが明らかになった。
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