本研究においては、以下の取り組みを遂行し、成果を得た。 (1)爆薬駆動高速負荷装置の試作開発とその性能測定 作用荷重の上限を高めるために、装薬室を水で満たす水注入方式にし、駆動部分を改良することによって、繰り返し使用できる高速負荷装置を開発した。装置の動荷重特性を明らかにするために、クォーツ型衝撃ロードセルを使用した荷重履歴の計測システムを構築した。 (2)爆薬駆動高速負荷装置を使用した動的破壊実験 岩質材料供試体を作製して動的破壊実験を行い、本装置の有効性を明らかにした。作用荷重及び供試体のひずみ履歴をデジタルストレージスコープで記録した。破壊現象は高速ビデオカメラ(撮影速度13500コマ/秒)で観察した。成果の一例として次のことが明らかになった。岩質材料の動的荷重は静的荷重の約2倍の値が得られ、その時の荷重速度は200MN/秒であった。この荷重速度は既住の研究結果と比較して、その値は最高域にある。また、高速圧縮荷重作用時及び高速圧裂引張荷重作用下の動的き裂挙動が明らかになった。 (3)装薬ホルダーを使用したき裂進展挙動の観察 考案した装薬ホルダーを使用して、直接引張負荷による岩質材料中のき裂進展挙動の高速度撮影を行った。岩質複合材としてのコンクリート中の高速き裂進展挙動については、骨材とモルタルのかみ合い効果が明らかになった。
|