文献調査を基に1、2年草、宿根草、球根類、ラン類、花木類について生育習性、温度、日長に対する反応、花芽分化時期、花芽分化と発達に及ぼす要因、休眠導入および打破の要因、幼若性、花熟、温度処理による生育、開花調節、日長処理による開花調節、生育調節物質による生育調節に分けて類型化を進めている。既に研究代表者および分担者は現在までにトルコギキョウ、アネモネ、ラナンキュラス、カノコユリ、アルストロメリア、カンパニュウララクティフローラ、シャクヤク、リューココリネ、ゼフィラ、バラ、シンビジウムなどの多くの花卉について詳細に生育、開花習性を明らかにし、周年生産体系をほぼ確立している。これらの花卉について生理生態的特性に基づいて類型化を試みたところチリ自生のリューココリネ、ゼフィラなどの小球根類は青葉ら(1976)の球根類の原生地の気候型と休眠の類型化に当てはまらないことが明らかになった。このように現在まで発表された類型化は対象花卉が限られており、さらに数多くの花卉の生育・開花習性が明らかになれば新しく類型化をしなおす必要があると考えられる。
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