従来の生理生態的特性に基づいた類型化には当てはまらない花卉が数多く存在することが予想されることから、昨年に引き続き文献調査を続けるとともに、新たにスクテラリア・バイカレンシス、ヒメヒマワリ、日本で入手可能な球根類50種について生育習性、生育開花調節を明らかにするための研究を開始した。現在実施中であるが、バイカル湖周辺に自生しているスクテラリア・バイカレンシスは、開花に低温要求性は無く、さらに日長要求性も無く、温度が15℃以上であれば周年開花することが明らかになった。また、ヒメヒマワリは低温要求性が無く、長日条件であれば周年開花する可能性が高い。このように、自生地の環境条件から想定される生育開花習性と実際の生育開花習性は異なる場合も多く、対象植物を増やすと類型化は容易ではないことが想定される。
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