研究課題/領域番号 |
09556009
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
夏秋 知英 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10134264)
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研究分担者 |
奥田 誠一 宇都宮大学, 農学部, 教授 (90091941)
小坂 能尚 京都府農業資源研究センター, 環境部, 主任研究院
渡辺 雄一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60183125)
亀谷 満朗 山口大学, 農学部, 教授 (40233978)
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キーワード | 植物ウイルス / 弱毒ウイルス / 遺伝子解析 / 干渉効果 |
研究概要 |
平成9年度は本研究の初年度であり、各分担者が弱毒ウイルスに関する基礎的データを収集し実験方法を確立した。弱毒ウイルスの遺伝子解析では、キュウリ緑斑モザイクウイルス、カンキツトリステザウイルス、キュウリモザイクウイルス(CMV)の弱毒株について塩基配列を決定した(夏秋、奥田)。ウイルスの弱毒化法では紫外線照射処理について検討した。CMVでは5分以上では完全に不活化したが、MNSVとZYMVでは病原性が低下したものの30分処理でも残っていた。CMVでメロンに軽いモザイクを生じ、強毒株に強い干渉効果を示す新しい弱毒株が得られた(亀谷)。すでに塩基配列の決定しているトマトモザイクウイルス弱毒株L11Aについて、グリーン蛍光タンパク質GFPを発現する形に改変して、強毒株との植物体での挙動の違いを見るためのツールを開発した。今後これらを用いて干渉作用などを見る予定である(渡辺)。CMVの弱毒株の迅速選抜法とその的確な干渉効果検定法を確立するため、弱毒株と強毒株の塩基配列の相違に基づき、両者を識別できる遺伝子診断手法を検討した。その結果、RNA1とRNA2のそれぞれについて作製した2種類のプライマーペアを用いたRT-PCR-RFLP解析により、CMVの弱毒株(CM95,36al)と強毒株(グラジオラス分離株)とが容易に判別できた(小坂)。次年度はこれらの成果を基に、弱毒ウイルスの遺伝子解析と遺伝子保存、干渉効果の早期解析方法の確立を目指す。
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