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1997 年度 実績報告書

食酢醸造の安定性改良を目的とした酢酸菌の分子育種

研究課題

研究課題/領域番号 09556016
研究機関東京大学

研究代表者

堀之内 末治  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80143410)

研究分担者 中野 繁  株式会社中埜酢店, 中央研究所, 研究員
塚本 義則  株式会社中埜酢店, 中央研究所, 所長(研究職)
吉田 稔  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (80191617)
キーワード食酢醸造 / 挿入配列 / 酢酸耐性
研究概要

1.挿入配列の諸性質の解明
新規配列IS1452について大腸菌へのクローニング、その塩基配列、標的配列の決定を行った。これらの結果,IS1452の長さは1411bpであり、21bpのterminal inverted repeatを持っていた。また、416アミノ酸からなるORFを持ち、これはシアノバクテリウムのCalothrix species PCC7601から単離されたIS701のTralと約30%の相同性を持つことが示された。このIS1452の標的配列は厳密であり、CTA(A or G)の配列であることを示した。さらにIS1452の酢酸菌中でのコピー数は1〜10個以上であった。
2.酢酸菌の耐性機構の解明
酢酸菌をNTGを用いた変異処理を行い、酢酸感受性株の取得を試みた。その結果、酢酸培地で生育できない酢酸感受性変株を2株取得した。これらの変異株を用いてショットガン・クローニングを行い、酢酸耐性を回復させる遺伝子(6.6kbp,2.2kbp)をそれぞれ得た。これらの遺伝子について現在シークエンスを行っており、まもなく遺伝子の同定が終了する予定である。また、酢酸菌培養時にエノールや酢酸を添加し、これらによって誘導される蛋白質の解析を行った。培地中に3%のエタノールを添加した場合、7種類の蛋白質の合成が増幅され、同じく培地中に1%の酢酸を添加した場合には5種類の蛋白質の合成が増幅されていた。これら増幅される蛋白質のN末端アミノ酸配列を決め、同定を行った。その結果、エタノール添加では、heat shoch蛋白質を中心とした蛋白質が、酢酸添加では、TCA回路関与の蛋白質を中心としたものの合成が増幅されていることがわかった。また既知蛋白質とは同定されなかった誘導蛋白質もあり、現在これらのアミノ酸配列から相当遺伝子をクローニングしている段階である。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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